オイロス・アンサンブルによるハルモニームジーク
●歌劇「フィガロの結婚」序曲 ヴェント編曲
●歌劇「魔笛」序曲 ハイデンライヒ編曲
●歌劇「魔笛」より
・おいらは鳥刺し
・フム、フム、フム
・恋を知る殿方たちは
・誰でも恋すりゃ嬉しいよ
●歌劇「後宮からの逃走」序曲 ヴェント編曲
●歌劇「後宮からの逃走」より ヴェント編曲
・お前とここで会わずにおくものか
・おれは行くが、気をつけろよ
・優しくしたり、ご機嫌取ったり
・なんという嬉しさ、なんという喜び
・ああ、勝ちどきを上げたいね
●セレナード ハ短調 K.388
演奏:
オーボエ 広田 智之
オーボエ 古部 賢一
クラリネット 高橋 知己
クラリネット 三界 秀実
ホルン 吉永 雅人
ホルン 田場 英子
ファゴット 岡崎 耕治
ファゴット 井上 俊次
曲目解説
井上太郎
モーツアルトの時代には、新作のオペラがヒットすると、オペラのさわりをピアノや室内楽に編曲した楽譜が多量に出版され、音楽愛好家は家庭やサロンでそれを演奏したり、聞いたりして楽しんだのである。その中の規模の大きいのがハルモニームジークと呼ばれ、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン各2本よりなる8重奏の編成が基本であった。
18世紀の終わり頃のウィーンには管楽器の名手が少なくなかったことは、モーツアルトのウィーン時代のオペラやピアノ・コンチェルトに木管合奏が活躍する部分の多いことからうかがえる。宮廷や貴族の祝宴ではハルモニームジークが特に喜ばれたのである。
このプログラムの前半で演奏されるのは「オペラさわり集」といったもので、皆さんご存じのオーケストラ曲やアリアを、現代の名手たちが八重奏で、どこまで表現するか聞きどころだろう。
これらを編曲したヨーハン・ネポームク・ヴェント(1745-1801)はボヘミヤ出身の作曲家で、ウィーンの宮廷楽団の奏者だった。またヨーゼフ・ハイデンライヒ(1753-1821)は、作曲よりも編曲で知られていた人である。
後半のプログラムは、モーツアルトのオリジナル作品で、この編成で書かれた曲はセレナードとしてこのハ短調(K.388)と、変ホ長調(K.375)の2曲しかない。いずれも優れた作品だが、特に今日演奏される曲はハ短調という調性がこの種の曲としては珍しく、対位法の精微な手法が見られる。なおこの曲は後に作曲者の手により弦楽五重奏曲(K.406)に編曲された。
第一楽章 アレグロ ハ短調の厳粛な主題のユニゾンで始まる。張りつめた緊張感が漂う楽章である。
第二楽章 アンダンテ 変ホ長調の主題は緊張感をほぐす美しさを持つ。ファゴットの躍動も楽しい。
第三楽章 アレグロ ハ短調のメヌエットだが、カノンで書かれている。トリオは音程関係が対照的な逆行カノン。
第四楽章 アレグロ ハ短調の主題による自由な変奏曲形式で、楽器の組み合わせの面白さが楽しめる。
オイロスアンサンブルのメンバ紹介
広田 智之(オーボエ)
日本フィルファーモニー管弦楽団首席奏者。ジャパンヴィルトオーゾシンフォニーオーケストラ、バッロク21,紀尾井シンフォニエッタ東京のメンバー。昭和音楽大学講師。
古部 賢一(オーボエ)
新日本フィルハーモニー交響楽団首席奏者。同楽団定期公演でのソリスト、ジャパンチェンバーオーケストラ、東京チェンバーウィンズ等では室内楽奏者としても活躍。
高橋 知己(クラリネット)
デトモルト北西ドイツ音楽アカデミーを卒業後、ドイツ・GEフィルファーモニーオーケストラの第一首席奏者となり、ソリストとしても活躍。帰国後は洗足学園大学客員教授に就任。1997年、オイロス・アンサンブルを結成。
三界 秀実(クラリネット)
東京芸術大学大学院を終了後、新日本フィルハーモニー交響楽団に入団、現在副首席奏者。同楽団とコンチェルトを協演。また東京芸術大学、同付属音楽高等学校非常勤講師を兼任。
吉永 雅人(ホルン)
東京芸術大学付属高等学校在学中に第2回日本管打楽器コンクール・ホルン部門第1位入賞。1988年と94年にドイツに留学。現在、新日本フィルハーモニー交響楽団の首席奏者。
田場 英子(ホルン)
東京芸術大学卒業後、新星日本交響楽団に入団。1996年、木曾音楽祭に出演。97年、チョン・ミュン・フン指揮アジアフィル・ツアーに参加後、アメリカのシカゴに留学、研鑽を積む。
岡崎 耕治(ファゴット)
武蔵野音楽大学卒業後、東京交響楽団に入団。DAADドイツ政府交換給付留学生として北西ドイツ音楽アカデミーに留学。現在、NHK交響楽団首席奏者、及び東京芸術大学、武蔵野音楽大学、エリザベト音楽大学、洗足学園魚津短期大学、各講師。
井上 俊次(ファゴット)
東京芸術大学音楽部器楽科に在学中に新星日本交響楽団に入団。現在ファゴッティ・ファゴッティのメンバー。昭和音楽大学非常勤講師。
|