第184回例会の内容紹介


♪木野雅之と仲間達による室内楽

2021.5.16 14:00〜17:00  藤沢リラホール(第184回)


当日のプログラムより

 
出演: 木野雅之 (1st Vn)  田村昭博(2nd Vn)  内山隆達(Va)  冨田大輔(Va)  長南牧人(Vc)

曲目:
モーツァルト作曲

♪弦楽五重奏曲 第1番 変ロ長調 K.174
♪ヴィオラ協奏曲 イ長調 K.622
(クラリネット協奏曲のヴィオラ版、弦楽四 重奏伴奏つき)



 曲目解説
                  井上 太郎
♪モーツァルト:弦楽五重奏曲 第1番 変ロ長調 K.174
 この曲はモーツァルトが1773年にイタリアから帰国して、ザルツブルクの同僚であったミヒャエル・ハイドンの作品に刺激されて書いたものである。当時17歳であったモーツァルトは、先輩のやり方をただ真似するだけでなく、独自のものを作ろうと苦心したらしく、第3楽章のトリオと、第4楽章の初稿が残っている。これと決定稿とを比較すると、彼の作曲がどのようにおこなわれたかがわかる。
 後年の傑作のもととなったこの作品で顕著なことは、第1ヴィオラを第1ヴァイオリンと対比させるところが多いことで、第2楽章がそうである。
 第1楽章では弦楽四重奏にヴィオラが加わったという感じだが、仕上がりはすばらしい。第3楽章のメヌエットもよいが、第4楽章のアレグロが特に優れている。
 なお彼は後年になってもこの作品に愛着をもっていたらしく、筆写譜を作って知人に送っている。

♪モーツァルト:ヴィオラ協奏曲 イ長調 K.622
モーツァルトはその最後の年1791年には前年のスランプを忘れたように旺盛な創作力を取り戻し、数々の名曲を残した。
9月6日にはプラハで「皇帝ティトの仁慈」の初演、さらに同月末にはウィーンで「魔笛」の初演を終えるとその成功に酔いながら親友(悪友)のアントン・シュタットラーのために生涯最後の器楽曲となったクラリネット協奏曲を僅か10日間で書き上げ、シュタットラーはプラハで10月16日に彼の発明したバセット・クラリネットで初演している。しかし、オリジナルの楽譜はシュタットラーの欧州巡業中に紛失されたらしく、1801年まで10年間も出版されず、その時はA管のクラリネット用になっていた。当時からこの曲は他の楽器で演奏される試みがなされていたらしく、早くも翌1802年ヴィオラをソロ楽器とする編曲者不詳の楽譜がオッフェンバッハのヨハン・アンドレ社から出ている。本日の演奏はこの楽譜をもとに、ヴィオラのソロ、弦楽4重奏伴奏で行われるが、伴奏部分はモーツァルトの書いたそれぞれのパートをほとんどそのまま弾くことになっている。
第1楽章 アレグロ
第2楽章 アダージョ
第3楽章 ロンド(アレグロ)
                 

◎出演者のプロフィール

木野雅之 1st Vn
 桐朋学園を経て、ロンドンのギルドホール音楽院に学び、 名匠イフラ ・ニーマンに師事する。音楽院卒業後、ナタン・ミルシュタイン、ルッジエーロ・リッチ、イヴリー・ギトリス等3人の巨匠に師事し研鑽を積む。ロドルフォ・リピツァー国際ヴァイオリン・コンクール優勝。カール・フレッシュ国際ヴァイオリン・コンクール最高位を獲得し、W.H.スミス賞と聴衆賞を受賞。メニューイン国際コンクールでサロン音楽特別賞を受賞。『ロイヤルオーケストラ協会シルバーメダル』 を授与された。ルッジェーロ・リッチ国際マスター・コンクール優勝。パーム・ビーチ招待国際ヴァイオリン・コンクールに優勝。名古屋フィルハーモニー交響楽団のコンサート マスターを経て、93年4月 より日本フィルハーモニー交響楽団のコンサート マスターに、02年7月よリソロ・コンサート マスターに就任。東京音楽大学教授、桐朋学園大学、武蔵野音楽大学講師、インドネシア パダンパンジャン国立芸術院客員教授として後進の指導にあたっている。JASTA(一般社団法人日本弦楽指導者協会)顧問。使用楽器は恩師ルッジエーロ・リッチから譲り受けた1776年製ロレンツォ・ストリオーニ。

田村昭博 2nd Vn
 山口県防府市出身。4歳よりヴァイオリンを始める。第45回山口県学生音楽コンクール第2位(1位なし)。国立音楽大学卒業。これまでにヴァイオリンを故石井洋之助、野波健彦、石井志都子、荒井雅至の各氏に師事。2004年2月、日本フィルハーモニー交響楽団に入団。現在、同団第1ヴァイオリン奏者。硬派弦楽アンサンブル「石田組」、東京グランドソロイスツメンバー。また、埼玉県内の高等学校やユースオケのトレーナー、その他室内楽、ライブサポート、音楽番組の収録など幅広く活動している。

冨田大輔 Va
 愛知県立芸術大学を経て、東京芸術大学音楽学部を卒業。同大学院修士課程修了。第3回みえ音楽コンクールヴィオラ部門第1位。第13回日本クラシック音楽コンクール弦楽部門全国大会第4位。小沢征爾音楽塾オペラ・プロジェクトや東京のオペラの森に出演。現在、読売交響楽団ヴィオラ奏者。これまでにヴィオラを野上阜三博・兎束俊之・川崎和憲・岡田伸夫の各氏に師事。

内山隆達 Va
 16歳よりヴァイオリンを始める。愛知県立芸術大学にヴィオラで入学。在学中、若手奏者のためのコンペティション弦楽四重奏部門第1位併せて県知事賞受賞。これまでにヴァイオリンを故大沢和夫、服部芳子の各氏に、ヴィオラを兎束俊之、百武由紀、店村眞積、タッソー・アダモプーロス、今井信子の各氏に、室内楽を松原勝也、田中雅弘の各氏に師事。現在東京都内を中心にオーケストラ、室内楽などで活動している。(一般社団法人)東京室内管弦楽団副首席奏者。

長南牧人 Vc
 東京音楽大学付属高校に入学、勝田聡一に師事。在学中、公開レッスンにてアンドレ・ナヴァラにその才能を認められ卒業後、渡仏。パリ・エコール・ノルマル音楽院に入学、レーヌ・フラショーに師事。演奏家資格コンクールを第二位で取得し卒業、同時に室内楽のディプロムも優秀な成績で取得。帰国後、東京芸術大学音楽学部器楽科に入学、堀江泰、花崎薫に師事。現在、公益財団法人 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 フォアシュピーラーチェロ奏者、一般社団法人 琉球フィルハーモニックオーケストラ首席チェロ奏者を務める。また、音楽教室の講師、各地の音楽祭講師、音楽コンクール審査員などを務め後進の指導にもあたっている。


 



Copyright(C)2010 SHONAN MOZARTIAN SOCIETY All rights reserved.