第66回例会の内容紹介
東京オペラ・シンガースの仲間たち(2)
平成13年9月30日 14:00 藤沢リラホール

プログラム
♪ソプラノ・アルト・テノール・パスの四重唱
モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス
K・618
♪イタリア年を記念して〜歌曲と民謡
すみれ(ズヵル1ラッティ) 品田昭子(S)
アヴェ・マリア(グノニ) 成田真(B)
嘆きのセレナーデ(トスティ) 加藤信行(T)
忘れな草(クルティス) 三橋千鶴(A)
マンマ(ヌティーレ) 加藤信行(T)
チリビリビン(ペスタロッツァ)三橋千鶴(A)
帰れソレントへ(クルティス) 成田真(B)
君に告げてよ(ファルポ) 加藤信行(T)
♪モーツアルトの《魔笛》 K.620
夜の女王のアリア 品田昭子(S)
この美しい絵姿 加藤信行(T)
パパパの二重唱 三橋千鶴・成田真(A/B)
♪モーツァルトの《フィガロの結婚》 K.492
喧嘩の二重唱 品田昭子・三橋千鶴(S/A)
もう飛ぶまいぞこの蝶々 成田真(B)
♪モーツァルトの歌曲
すみれ K.476 品田昭子(S)
ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時 K.520
三橋千鶴(A)
♪モーツァルトの《ドン・ジョヴァンニ》 K・527
君の手を取り 品田昭子・成田真(S/B)
恨みを晴らすのは 加藤信行(T)
カタログの歌 成田真(B)
ピアノ伴奏 服部 容子

曲目解説 井上 太郎
●アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618
1791年6月17日の目付を持っこの曲は、ウィーンの郊外にあるバーデンヘ湯治に行きたいという妻のためにその地に住む合唱指揮者アントン・シュトルに世話になったお礼として書かれた曲です。御聖体の祝日のためのものと考えられる小品ですが、この曲ほど神の恩寵を感じさせる曲はないでしょう。
●イタリア年を記念してのイタリア歌曲と民謡
皆さんよくご存じの曲ばかりです。これらのひとつひとつに解説をつけるのはヤボでしょう。なかにはフランスの作曲家グノーの曲もはいっておりますが、イタリアの歌の旋律の美しさを、存分に味わって下さい。
●モーツァルトの《魔笛》K.620から
最初の「夜の女王のアリア」は第1幕で夜の女王が雷鳴とともに登場する時に唱われるアリアです。ザラストロに娘を奪われた母親の悲しみと呪いがこめられ、コロラチュアの技巧を極度に駆使した難曲です。最高は第3線のヘ音まで上りつめます。
次の「美しい絵姿」は第1幕で王子タミーノが女王の娘パミーナの絵姿にうっとりして唱う美しいアリアです。中間の伴奏に胸の鼓動が現れます。
3曲目は第2幕でパパゲーノが、美しく変身したパパゲーナを見て、最初はあまりの嬉しさに□がきけません。パパゲーナも同じです。二人はやっとのこと「パ、パ、パ」と唱い始めます。そして喜びの声は次第に高まり、最後は、はじけるようなアレグロになります。モーツァルトが書いた最もユニークですばらしい愛の二重唱です。
●モーツァルトの《フィガロの結婚》K.492から
最初の曲は第1幕で新婚早々の美しいスザンナにやきもちをやく女中頭のマルチェリーナと、互いに慇懃無礼に相手をなじりあう二重唱です。
次は第1幕の最後に唱われる、どなたもご存じの有名なアリア。伯爵の小姓のケルビーノが連隊の士官に任命されたことで、もうお前は女の間を飛び回ることはできない、軍服を着て、泥まみれで行進するのだと決めつけ、最後は軍隊行進曲になります。
●モーツァルトの歌曲から
最初の「すみれ」はゲーテの詩による有名な曲です。1785年6月8日の日付を持っこの小品は、原詩の持つバラード調を見事に生かして、一つの小さなドラマに仕立てているのです。牧場に咲く1輪のすみれが少女の胸に飾られるのを願っていましたが、少女は目もくれず、踏みつけてしまいました。しかしすみれは彼女に踏まれて死んだことを喜ぶのです。
次の長い題名の曲は短いながら劇的な傑作です。これは女流詩人バウムベルクが自らの体験を唄ったものと言われます。3つの部分に分かれており、モーツァルトはそれぞれの部分に伴奏の音型を変えてドラマティックな気分を盛り上げています。
●モーツァルトの《ドン・ジョヴァンニ》K.527から
1曲目はドン・ジョヴァンニが農夫のマゼットの花嫁ツェルリーナを誘惑する二重唱です。騎士の誘惑に耐え切れず、最後は8分の6拍子に変わって二人の旋律はビッタリと寄り添ってしまうのです。
2曲目は騎士長の娘の許婚者のドン・オッタービオが、騎士長を殺したのがドン・ジョヴァンニであることが明らかになって、復讐を誓って唱うアリア。
3曲目は、このオペラの中でも特に有名なアリア。唱われるのは第1幕で、主人がこれまでいかに多くの女を誘惑し、捨てていったかを記録したカタログを読み上げるものです。
※出演者のプロフィール
品田昭子 ソプラノ。国立音楽大学声楽科卒業。同大学院オペラ科終了。二期会オペラスタジオ第39期を優秀賞を得て終了。第10回宝塚ベガ音楽コンクール第4位入賞。第10回奏楽堂日本歌曲コンクール第3位入賞。第9回日本モーツァルトコンクール第3位入賞。
第37回目伊コンコルソ入選。二期会会員。これまでに《魔笛》、《フイガロの結婚》に出演経験がある。
三橋千鶴 メゾ・ソプラノ。桐朋学園女子短期大学音楽科卒業。同研究料声楽専攻終了。1977年、二期会合唱団入団。十余年にわたりアルト・パートリーダーを務め、92年、同団を退団後はフリーとしてオペラ、ミュージカル、コンサートで活躍。その回数は3000回を越える。
最近ではクルト・ヴァイル生誕100年没後50年記念演奏会に出演。11月には二期会オペラに出演が決定。豊富な経験に裏づけられた役作りは高い評価を得ている。二期会会員。東京室内歌劇場会員。
加藤信行 テノール。東京芸術大学声楽科卒業。在学中より藤原歌劇団及び二期会のオペラに多数出演。
1992年に東京オペラ・シンガーズを組織。以降テノールの中心メンバーとして数多くのオペラ、コンサートに出演。今シーズンより新国立劇場と契約を結ぶ。
成田 真 バス・バリトン。東京芸術大学声楽料卒業。同大学院終了。日本・ロシア音楽家協会会員。日本体育大学・同女子短期大学非常勤講師。モーツァルトのオペラの出演経験ではレポレッロ、フイガロなどがある。コンサートの経験も多く、96、97年にはシドニー・オペラ・ハウスにてベートーヴェンの「第9」のバス・ソリストとして招かれ、好評を博した。
服部容子 ピアノ。桐朋学園音楽学部演奏学科ピアノ専攻卒業。二期会コレペトィトゥア塾終了。1996年より1年間文化庁在外派遣研修員としてニューヨークに留学。日生オペラシリーズ、二期会、サイトウ・キネン・フェスティヴァルなど数多くのオペラ・プロダクションに参加し、モーツァルトのオペラ経験も豊富。

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