| 第82回例会の内容紹介 |
モーツァルトとブラームスのホルンの入った室内楽
平成16年4月11日 14:00 藤沢リラホール
出演
ホルン:山岸 博
ヴァイオリン:吉村 知子
ピアノ:遠藤 直子
プログラム
♪モーツァルト:ホルン協奏曲変ホ長調
第3番 K.447
第1楽章アレグロ
第2楽章ロマンツェ ラルゲット
第3楽章アレグロ
♪モーツァルト:ホルン五重奏曲変ホ長調
(三重奏版)K.407
第1楽章アレグロ
第2楽章アンダンテ
第3楽葦ロンドアレグロ
♪ブラームス:ホルン三重奏曲 変ホ長調
作品40
第1楽章 アンダンテ
第2楽章 スケルツオアレグロ
第3楽章 アダージョ・メスト
第4楽章 アレグロ・コン・プリオ
当日のプログラムより
井上 太郎
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| 曲 目 解 説 |
♪モーツァルト:ホルン協奏曲変ホ長調 第3番 K.447
この曲はモーツァルトが1784年から書いていた「自作目録」に記載されていないので,それ以前のものとされていたが、最近の研究の結果、1787年に書かれたという説が有力になった。そして彼と親しかったホルン奏者のロイトゲープか、当時ウイーンで活躍していた名ホルン奏者シュテッヒ(通称プント)のために書かれたのであろうとされている。
原曲は独奏ホルン、クラリネット2、ファゴット2に弦楽五部の編成である。
第1楽章アレグロは変ホ長調4分の4拍子で始まるが、展開部が変ホ長調から最も遠い関係に当たるイ長調で開始するのは、当時のモーツァルトが人並みではない技法を追究した一例と言えよう。
第2楽章ロマンツェのラルゲットは変イ長調2分の2拍子で、冒頭からホルンが美しい旋律を唱う。
第3楽章アレグロは変ホ長調8分の6拍子で、快活な狩りのホルンを思わせる。
♪モーツァルト:ホルン五重奏曲(三重奏版) 変ホ長調K.407
原曲は独奏ホルンにヴァイオリン1、ヴィオラ2、チェロ1の編成だが、今日はヴィオラとチェロの部分をピアノが受け持つ三重奏の編成で演奏される。
この曲もロイトゲープのために書かれたと考えられる。2人は互いに冗談を言い合ったり、ふざけた行動をしたりする仲であったことが、この曲からも感じられる。
第1楽章アレグロは変ホ長調の4分の4拍子で、冒頭からホルンが登場する。この曲は全体にホルンとヴァイオリンの掛け合いの部分が多いので、三重奏の編成でも面白さがわかる。対位法的な部分の多いのもこの曲の特色である。
第2楽章アンダンテは変口長調の8分の3拍子で、ヴァイオリンがホルンと対等に際立った存在を示す。
第3楽章アレグロは変ホ長調の4分の2拍子のロンドで、ユーモラスな気分に溢れ、一番の聴きどころだろう。
♪ブラームス:ホルン三重奏曲変ホ長調作品40
プラームスがモーツァルトを深く敬愛していたことは、19世紀末に刊行された最初の全集の編集に関わっていたことでもわかる。ブラームスがホルンを愛好していたことは、交響曲などからうかがえるが、ホルンを使った室内楽はこれだけである。完成されたのは作曲者が33歳の1865年のことで、バーデン・バーデンで森や丘を散歩しながら楽想を得たという。
第1楽章アンダンテは変ホ長調の4分の2拍子。第1主題は牧歌風。第2主題はト短調で影を帯びる。
第2楽章スケルツォは変ホ長調のアレグロの4分の3拍子で、ピアノのスタッカートで始まり快活な気分だが、中間のトリオの部分は暗い変イ短調である。
第3楽章アダージョ・メストは変ホ短調の8分の6拍子。この楽章は母の死の直後に書かれたといわれ、深い悲しみに終始している。全4楽章の中で最も長い。
第4楽章アレグロ・コン・プリオは変ホ長調の8分の6拍子。前の楽章の憂鬱を吹き飛ばすような快活な曲で狩りのホルンを思わせる。

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| 出演者のプロフィール |
山岸博(ホルン)
1973年、東京芸術大学音楽学部卒業と同時に東京フィルハーモニー交響楽団に入団。
1974年、渡独。ベルリン国立音楽大学に入学。ゲルト・ザイフェルト氏に師事。
1975年、ベルリン・シンフォニー交響楽団に入団。
1976年、ケルン市立ギュルツニッヒ・オーケストラの第1ホルンとして入団。その間、初めての日本人管楽器奏者としてバイロイト音楽祭に参加。
1984年、読売日本交響楽団にソロホルン奏者として帰国。他に洗足学園大学教授として活躍。
吉村知子(ヴァイオリン)
名古屋市出身。幼少年時より各種コンクールに入賞。東京芸術大学在学中にシュポア国際ヴァイオリン・コンクールセミファイナル ディプロマ受賞。東京芸術大学「安宅賞」受賞。第29回テイボー・ヴァルガ国際ヴァイオリンコンクール第1位。東京芸術大学卒業。現在、新日本フィルハーモニー交響楽団第2ヴァイオリン主席奏者。
遠藤直子(ピアノ)
桐朋学園音楽学部卒業。同大学研究科修了。スイスシオン国際アカデミーのマスター・クラス修了。PTNAピアノコンペデイション全国決勝大会入賞など多くのコンクールで活躍。現在、桐朋学園大学属託伴奏員。浜松国際管楽器アカデミー公式伴奏者。 |