| 第90回例会の内容紹介 |
平成17年7月17(日)午後2時より 藤沢リラホール |
| 曲 目 解 説 井上太郎 |
♪モーツァルト:オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314 この曲は1920年にザルツブルクのモーツァルテウムでパウムガルトナーにより発見された筆写譜と、ウィーンで書かれたニ長調のフルート協奏曲の二種がある。これには原曲がニ長調のフルート協奏曲で、これがそれの移調されたものと考えられていた。ところがオーケストラの楽器の使い方からみて、こちらが原曲だろうという説が今や有力である。というのはこれが1777年4月から翌年にかけてザルツブルクの宮廷礼拝堂に属していたオーボエ奏者ジュゼッペ・フェルナンデスのために書かれたものとするのが最も史実に近いからである。 第1楽章アレグロ・アペルトで独奏オーボエが出てくるのは32小節からである。展開部での半音階的処理には注目すべきものがある。カデンツァは178小節から。 第2楽章のアダージョ・ノン・トロッポは優美なへ長調。これにも85小節からカデンツァがついている。 第3楽章はアレグレットの軽快なロンド。250小節から始まるカデンツァは聴きどころだろう。 ♪モーツァルト作曲:ディヴェルティメント 変ホ長調 K.563 この曲はディヴェルティメントと名づけられているが、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロによる中味の充実した弦楽三重奏曲である。楽章も6楽章まであり、演奏時間45分ほどを要する大曲である。完成されたのは1788年9月で、モーツァルトが何度も借金をしたプフベルクに献呈された。オットー・ヤーンの「疑いも無く、モーツァルトの最も驚嘆すべき作品の一つ」とする言葉は決して誇張ではない。 第1楽章アレグロは提示部から対位法の使用が目立ち、展開部での第1主題の転調と第2主題とのからみあいがすばらしい。 変イ長調で書かれた第2楽章アダージョの表現の深さは特筆に価するものがある。 第3楽章は変ホ長調のアレグレットのメヌエット。前の2つの楽章の緊張をほぐすかのようである。 第4楽章は変ロ長調の自由な変奏曲。主題はチロル民謡にもとづくという。中間に変ロ短調の部分がある。 第5楽章は再び変ホ長調のメヌエット。これにはトリオが2つあり、第1トリオは変イ長調、第2トリオは変ロ長調である。 第6楽章は変ホ長調の長大なロンド形式で書かれている。主題は活気にあふれたもので、この名曲の最後にふさわしい楽しさがある。 ♪オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K.370 この曲は1777年9月から1779年1月までの長期にわたったマンハイム、パリ旅行の際、マンハイムでオーボエの名手フリードリヒ・ラムとの出会いから生まれた。しかし実際に作曲されたのは、1780年である。つまりマンハイムの宮廷楽団がミュンヘンに移り、モーツァルトが歌劇≪イドメネオ≫の作曲のためにミュンヘンに出かけてから作られたのである。 第1楽章アレグロは冒頭からオーボエがヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとともに歌いだす。実に生き生きとした主題である。 第2楽章のアダージョは短いものだが、ニ短調で書かれており、オーボエの哀愁を帯びた歌が美しい。 第3楽章はへ長調のアレグロのロンド。8分の6拍子で書かれた主題は華やかなものである。 |
| 出演者のプロフィール |
渡辺 克也 (オーボエ) 1966年生まれ。東京芸術大学卒業。新日本フィルハーモニーを経て91年渡独し、ヴッパータール交響楽団、カールスルーエ州立歌劇場管弦楽団主席奏者。97年よりベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団の首席奏者として活躍中。毎年帰国してリサイタルを行い、実力派として注目、期待されている。 小田井郁子 (ピアノ) 兵庫県伊丹市に生まれる。桐朋女子高等学校音楽家を経て桐朋学園大学音楽学部ピアノ科卒業。その後渡独。シュトットガルト音楽大学大学院卒業。現在、ベルリン音楽大学講師を勤める傍ら、室内楽を中心に演奏活動を行う他、ミュンヘンコンクール等多くの国際コンクールで公式伴奏者を務める。これまでにピアノ・デュオとして、数々の国際コンクールに入賞、また伴奏ピアニストとしても、マルクノイキルヒェン器楽コンクール(ドイツ)で2度にわたって最優秀伴奏者賞を受賞。 吉村 知子 (ヴァイオリン) 東京芸術大学在学中にも「安宅賞」受賞や、ティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリンコンクール第1位に輝く。現在、新日本フィルハーモニー交響楽団第2ヴァイオリン首席奏者。 小林 明子 (ヴィオラ) 東京芸術大学大学院修了後、1997年より東京都交響楽団で活躍中。独・カールフレッシュ音楽アカデミー、西・サンタンデール音楽アカデミーでも研鑽を積んだ。 唐沢 安岐奈 (チェロ) 東京芸術大学大学院終了後、ハンガリーの国立リスト音楽院に1年間留学。各種のコンクールに入賞、ソリストとして活躍。2000年より読売日本交響楽団に在籍中。 |
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