日刊井手たく・バックナンバー:2009年10月

10月29日
白装束

更新が滞り心よりお詫び申し上げます。

今、娘が気に入っている本は鶴の恩返し。
最近、何度も読んであげている。
昨日は白鳥のみずうみを読んであげた。
長編のアルプスの少女ハイジには
あまり目を向けない。
今はコンパクトな物語が好きなようだ。

さて、10月15日、湘南家畜衛生所西部出張所に視察に行った。
場所は足柄上郡開成町にある。
戦時中は家畜の伝染病対応は警察が対応していたが、
家畜保健衛生所法ができてから現在の形になっている。
この施設は各都道府県に必ず設置する義務が定められる。
家畜保健衛生所はマイナーだが、
BSE、さらには鳥インフルエンザのときの
白装束の作業風景はこの機関によるもので大変印象的だ。
今、病気が発生すると国内大騒ぎになる。
防疫体制も必要だが、
広報説明も必要になる。
今、県内4箇所の衛生所があり
湘南15人、県央23人、西部2人、東部3人である。
1人事務職員がいるがあとは獣医師。
検査対象は牛、馬、豚、鶏、羊、山羊、ミツバチである。
検査内容は血液検査、糞便検査、乳牛乳の検査
など法定検査、依頼検査など。
その他獣医の開設届出を受け付け、
飼料の安全使用指導、臭い、糞尿の処理の指導が業務。
運営形態は現状がベストかどうか分からないが、
事業内容は社会的にも不可欠なものである。
あとは本庁組織との効率的な連携が
どのようにとられているかである。
いずれこの点も精査しなければならないし、
検査風景も視察したい。


10月23日
農・未来塾

明日は農未来塾是非、ご参加を!

午後1時から相原農場(藤沢市宮原2394)で行います。
今年は「地下水の現状」、
「農未来塾10周年を迎えて」をテーマとします。
飛び込みも大歓迎!
お問い合わせは090−8440−0287 井手まで
なお、車でもご参加できます。
電車の場合は、相模線の倉見駅までおこしになり
そこから、0466−48−2725(相原)にご連絡ください。
車でお迎えにあがります。


最近、選挙が重なっていることもあり、
目まぐるしく県内を移動する時間が長い。
朝も早いため、移動中は資料を読みあさるが、
思わずうとうとしている。


10月21日
経済成長の影に

帰宅して、息子と娘とキャッチボールをやっていたが、
夕飯時飲んだビールがきいているのか、
ボールを枕に横になる。
知らない間に、寝入っていたようだ。
「お父さん寝すぎ!」
娘か息子(記憶が定かでない)に叱責された。
3人で風呂に入り、やっと目が覚める。
娘が(アルプスの少女)ハイジを
読んでというので、読んであげた。
小さな娘を持つ父親として、改めてハイジを読むと、
彼女が随分過酷な環境で生活していたことを痛感する。
身寄りがないため、アルムのおんじいに預けられ、
今度はクララという少女の相手をするために、
おんじいと無理やり引き離され、
クララとの友情は芽生えるが、その取り巻きに、
厳しい対応をされ・・・
10ページほど読んだところで
娘が「もう寝たい」とのこと。
続きは又今度。

さて先日、かながわ森林づくり公社の視察に行った。
場所は開成町の足柄上地域県政総合センターにある。
昭和40年ころ、林業は、森林組合、もしくは個人で、
県からの造林補助金をうけながらおこなわれていた。
合わせて、県としても県有林、市町村林において、
森林の育成、搬出・販売をおこなっていた。
ところが急激な経済成長のなかで、
林業の経費が高騰し、森林へ手が入りにくくなる。
この情勢を踏まえ、昭和43年、県、市町村、森林組合が
社員となり、公社が設立された。
公社の事業内容は県で行っていた
森林育成・搬出・販売そのものであった。
同じ事業をなぜ、公社と設立して行うのか?
この答えは、分収林特別措置法によって、
分収造林事業における借り入れは、
公社設立によって可能であるということが謳われたためだ。
したがって、昭和43年以前のエリアは、
組合、個人、県、市町村で
分収造林事業をおこなっていたが、
それ以降の新しいエリアについては
公社が受け持つこととなったのだ。
現在公社は3520ヘクタールを造林しており、
925件の契約、土地所有者は1125人、
木はスギ、ヒノキが主である。
ご承知の通り、造林には50年ほどかかる。
育成経費は借入金で賄い、
伐採したお金で返済する。
しかし冒頭申し上げた林業の経費高騰により
公社も立ち行かなくなる。
伺った情報から判断すれば、
こうなることは最初から見えていた気もするが。
来年度、公社は廃止される。
公社の借金は234億円。
これは県が背負うことになる。
職員は現在17人いるが、
6人が常勤プロパー。
うち3人は県森林課へ身の振りようを依頼。
その他の3人は模索中。
この問題は県としての財政問題でもあるが、
急激な経済成長の影で、
重要な生業が大変なダメージを受けていることを
突きつけられる問題でもある。
第一次産業以外の多様な産業の膨張は、
色んな形で色んな現象を巻き起こしている。


10月19日
分収契約

夕食前、居間では、
最近、豊田佐吉の幼年伝記を読む。
ソファーにだらしなく座り、
児童文庫なので気軽に読める。
いつもは息子、娘は別の本を読んでいるか、
何か別のことをしている。
昨日は息子に声をかけると、
「読んで」というので、
前回の続きから読んであげた。
佐吉が大工になり、
その後、彼は「西国立志編」という本にであい
イギリスにおける蒸気機関などの、
発明家たちの活躍を知る。
そこまで読んで続きは又今度。

「西国立志編」で述べられる
産業革命は我々の生活をまちがいなく便利にした。
便利を獲得した我々の次の課題は、医療、福祉だ。
先日、県の医療施設、福祉施設を視察したが、
この部門における革命的研究、
発明は生まれないのだろうか?
30年前、長洲元知事が、
福祉・医療のニーズは間違いなく広がる。
この分野の研究施設を設置するべきだと唱えていた。
この類の施設がないか?調べているが、いまだ見当たらない。
このあたりは模索していきたい。

さて、先日、神奈川県自然環境保全センター足柄出張所の視察に行った。
場所は開成町の足柄上地域県政総合センターにある。
あたりは山並みが続き、斜面に家が散在する。
その風景は、どこか長崎のふるさとを思い出させる。

出張所では所長さんが熱心に説明をしてくれた。
森林の育成、そして育成後、
木の搬出・販売がおもな業務である。
この出張所の管内は、
湯河原、箱根、小田原の
6万9千ヘクタール。
森林は県有林もあれば、
土地を市町村がもっているものもある。
こういうエリアでは分収契約といって、
育成を県がやり、搬出時の収入は
県と市町村で分担するというシステムをとっている。
ご承知の通り、国内林業は厳しい。
海外からの木材輸入、そして人件費の増加は、
この生業を不採算事業に陥れた。
50年ほどかけて木を育成し、
やっと木材を販売するのだ。
この事業は結果として水源環境の保全にも
繋がっているだろうし、
温暖化対策という効果も生んでいる。
森林の様子を熟知する職員の移動は
4年から5年ということだが、
せっかくのノウハウを短いサイクルで
終わりにすることがもったいない。
以前箱根出張所の
自然公園保全担当職員もいっていたが、
こういう職場はできるだけサイクルを
長めに取ったほうがよいようだ。

連日の視察報告を通して、県がやっている仕事を
できるだけわかりやすくお伝えしているつもりだが、
大分、県というものがご理解いただけているだろうか?
華やかでなく、目立たず、下支え的な事業もそのなかには多い。


10月14日
看護師

友人に娘が書いた絵を自慢げに見せた。
すると彼は、今度、娘さんに絵を書いてやるといい、
色んなキャラクターの絵を書いてくれた。
ミッキーマウス、ドラえもん、キティちゃんなど。
今朝娘に渡すと、大変喜んでいる!
こんなプレゼントもあるんだ。
絵か・・・・なるほど・・なにやら燃えきた。

さて、先日、京浜東北線根岸駅そばにある
県立衛生看護専門学校へ視察に行った。
市レベルでもこのような学校はある。
ちなみに藤沢市看護専門学校の
授業料は公立の中でも安いらしい。
看護専門学校では、
保健師、助産師、看護師、準看護師などの養成を行う。
看護師の資格を取るルートは多彩で、
4年生大学、短期大学、
もしくは今回視察をしたような、専門学校を経て、
国家試験を受けて、資格を取る。
今回、視察した学校は、
もともと医師会が運営していた。
平成18年に県立県営になる。
学生は約440名。
学科は4つある。
助産師養成、3年間かけて看護師養成、
準看護師を2年間かけて看護師として養成、
準看護師養成。
夕方の視察だったが、学生さんが残って実習をしていたが、
生徒さんにはある程度年配の方もいらっしゃる。
学校の職員は45人、内4人は県職員で
それ以外は医師会の看護師が教務を執り行う。
教務委託費は年間5億円。
新入生は定員割れとなっている。
理由は学校側が一定程度の学力を求め、
さらに合格者が他の学校、大学を選んだ結果とのこと。
県内にでは63000人の看護師が必要だが
60650人が現状で、2500人ほど足りていない。
就職難といわれる中、医療、福祉、衛生に対する
社会的ニーズは膨らんでいるものの、
この職業を選択する人数が社会ニーズに追いついていない。
看護師という職業に対するイメージの問題なのか?
いずれ、看護師の方々に職場の実状を伺う機会を作りたい。


10月13日
文豪

メスのカマキリはオスと交尾を終えると
オスのカマキリを食べるそうだ。
オスからすれば命がけのプロポーズとなる。
その後、枯れ枝などに、泡状の卵を産む。
構造としては気泡の中に卵がある状態で、
大きな温度変化に耐えうる状態だ。
そこから多くの子供が生まれるが、
ほとんどは鳥、アリなどに食べられる。
虫の世界。
たった8行であるが、ものすごいドラマだ。
ファーブルが虫に夢中になったのもすこしわかる気がする。

さて、先日、神奈川県立文学館へ視察に行った。
皆様はこの施設どこにあるかご存知だろうか?
場所は港の見える丘公園敷地内の奥にある。
この施設は神奈川県文学振興会
という財団法人により運営されている。
著名な文豪たちが理事を務め
設立された財団。
来年、この財団を特定して、
この施設の指定管理者として提案するとの説明が
先日常任委員会で行われた。
なぜ、公募できないのかについての理由は、
別の団体がこの施設を運営することになると
書籍、資料をこの施設に寄附した文豪、その遺族たちが
返還を求めてくる可能性があるからだそうだ。
ここに違和感を覚える。
その後施設の中を拝見した。
有島武郎、司馬遼太郎、井上靖、
彼らの出版前の原稿が、
赤字の修正などを残したまま
残されている。
漱石の部屋で使われたじゅうたん、机、
さらには文豪たちが読んだ書籍が、
作家ごとに書庫には整理されている。
これらはその作家を研究する人が、
この購読された書籍からその作家を研究するためのもの。
これらの資料閲覧で、来訪者は一日9人ほどだそうだ。
その資料の質、そしてその量を見ると圧倒される。
しかし、知る人ぞ知る施設の極みでもある。
この施設の広報はそもそも信頼があるため、
多くのテレビで取り上げてもらっているので、
改めて戦略を練るということでもないそうだ。
この財団の設立に貢献した作家の原稿などが
一つの部屋ごとに保存されている部屋も拝見した。
申し込めば、見ることはできるそうだ。
視察自体大変興味深いものであったが、
これは税金を使ってやらねばならないものか?
疑問も残った。
閲覧する人がいなければ、
文豪たちの書籍保存庫を税金で
管理しているだけという見方もできる。
県がこの施設の運営について、
間違った説明、さらには運営を施すと、
この施設に協力した文豪たちのイメージに関わる。
県は県として、文豪たちと違った立場で、
広報を含め、認識を持った対応をしていかねば、
あの人たちが資料を引き上げるかもしれないので・・
なんて説明に終始すると、協力者に迷惑をかけることになる。

10月12日
歴史博物館

最近ファーブルに凝っている。
子供に読んであげるには、
どの本が良いか探していると
熊田千佳慕(ちかぼ)の本が目に入った。
フランスからプチ・ファーブルとまで評価された、
生物学を研究された方だ。
鮮やかなタッチで昆虫を書き、
その情景を専門家としての解説を行いながら、
ファーブルの視点も盛り込んでいる。
字も少ないので、恐らく娘にもそれほど抵抗はないはずだ。

先日は、タイミングを見て、
シュバイツァー(アフリカで多くの病人を助けた医者)、
杉原千畝(6000人のユダヤ人へビザを発行した大使)、
を息子へ読んだ。
こういう伝記は、読み聞かせしている際に、
こみ上げるものがあり、思わず声がうわずる。
この時間、子供たちにはどうか分からないが、
私にとっては重要な時間となってきている。

さて、先日神奈川県立歴史博物館を視察。
場所は、桜木町駅近くの
ホテル東横インの隣にある。
古代、中世、近代、現代。
夫々の時代の展示がなされている。
横浜の歴史を後世にも残すという意味でも
このような施設は重要であろう。
しかしながら、一律カットいう財政の中で、
学芸員などの確保、さらには育成、
イベントの企画、周知に苦労している感もある。
館内の案内はボランティアの方が対応してくれた。
古代から近代まで、実に分かりやすく解説をしていただき、
その研究と情熱にただただ頭のさがる思いである。
土器、石器も展示してあったが、
その向こうに当時の人が見える気もしてくるから不思議だ。
生き物関係を、小田原の生命の星へ移設して
現在、歴史物だけがここに残る。
基金は求めておらず、利用料金と県からの支出で運営を賄う。
英国などでは民間の財団がこのような施設を
基金を募りながら運営しているとのこと。
このような施設がただ先細りになることも、
よろしくない。
新しい運営手法も検討の余地がある。


10月8日
選挙

本日、参議院議員選挙補欠選挙が告示された。
そして昨日、9月定例議会が終わった。
相変わらず目まぐるしい議会であった。
平成23年1月にオープンする県立芸術劇場の
運営管理として、公募を行わず、
一者指定で押し通る県の不可解な発想には、
大変な労力を注いだ。
結論から言うと、
神奈川県芸術文化財団を指定管理者とする
議案に付帯意見をつけて、
賛成するということになった。
付帯意見は次のとおり
「公募が原則であるが、
 もし一者指定で非公募にする際は、
 明確な説明をすべきである。」
これは詳細の文ではなく概略だ。
これで、財団の職員は芸術劇場の運営という
新しい仕事が獲得できたため、
これまでの議論でいけば、20名以上の職員が増員される。
先日、市民とお話していても
さらにはマスコミの方とお話していても
そもそもあの芸術劇場は必要なの?
そんな意見も受けたばかりである。
今後、この劇場ではオペラ、歌舞伎、バレエなどを中心に
宮本亜門芸術監督の方針を踏まえ
企画、運営を行っていくわけだが、
採算における配慮、そして県民に幅広く
理解される運営を心がけてもらいたい。
昨日の採決にいたる経緯なども
いずれ皆様にお知らせしてまいりたい。



10月6日
情報

ファーブル昆虫記は皆様読まれたと思う。
私は先日「幼年伝記 ファーブル」で
彼の実験の一例を読み、
これは面白いといまさらながら感動。
息子を連れて図書館へ。
そこでファーブルの本以外に
幼年伝記 豊田佐吉、シュバイツアーを借りる。
帰宅して、いつものことだが、
子供に読み聞かせる前に
私が事前に先ず読む。
読んだのは豊田佐吉。
彼の人生は機織機(はたおりき)研究開発を貫く人生である。
彼も偉人たち特有の共通点であるが苦労人である。
親族からの理解も得られない彼の境遇は心に染み入る。

そういえば先日、家族でナイトミュージアムという映画を見た。
そのミュージアムでは歴史に残る人物の人形が、
夜になると意思を持ち、動き、様々な騒動を起こすのだ。
このように時代、そして地理的にも分散された「彼ら」を
一箇所に、しかも同じ時に配置すると
実ににぎやかである。
こうした「先輩たち」の生き様に、
勇気と元気を貰う。
子供のために本を借りているはずだが、
私のためになっている。
さて、9月定例議会も色々とあったがまもなく終わる。

今回の収穫は、情報公開課の課長と
常任委員会でやり取りできたことだ。
昨年、道路整備課と議論した際、
職員自体情報の整理ができていない様子があった。
県民から議員から資料要求があったとき、
そもそも、その所管課には、どのような資料があるのかを
一覧表で示すファイル基準表の作成が義務付けられている。
さらにはこの基準表に基づき職員の事務も行われる。
このファイル基準表を見ても、
道路整備課の場合、余りに抽象的なファイル名で
何がなんだか分からなかったのだ。
従って、一つの資料を要求しても
1ヶ月、2ヶ月単位で、少しずつ資料が
提供されるだけで、本質の審議が
できない状態になってしまうのだ。
このファイルにはどういうものがあるのか?
職員も県民も一定のイメージができる形に基準表を見直すように
情報公開課に求めた。
これについては課長も今年中に明確なファイル基準表作成のため
一定の形を作るとの答弁。
これからはこれまでにもまして、
「情報」は鍵になる。
取り組み方には所管課ごとに温度差が出る可能性もある。
そういう意味で、県民の皆様のご支援も不可欠と思われる。



(c)2009 Takuya Ide