平成18年2月19日 議会報告会 資料
テーマ
・ 出資法人の将来像
・ 大阪破産(本)より
シュミレーション
職員の厚遇
三位一体改革
財政指数
破産の可能性を発表
赤池町の事例
次回の予定
日時 平成18年 3月19日(日) 15時から17時
場所 市役所新館 7階 第6会議室
テーマ 2月定例議会について
資料作成者 藤沢市議(無所属) 井手拓也
tel,fax 0466-81-9308 携帯 090-8440-0287メール taku-ide@shonanfujisawa.com
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自宅〒252−0813 市内亀井野3−21−21
大阪破産 吉富有治
※は井手の考え方
※なぜ、行政主導の3セクはこうも的をはずし続けるのか?理由は顧客思考でなく、満足されなくても絶えず税は入ってくるという構図だからだ。だからこそ、人事評価が重要である。そもそも、「役人」に発想を求めること自体無理があるのではないか?役人には役人の分があり、全うしなければならない職務がある。それは中立公平に公共サービスに従事する。以上だ。それ以外に手を伸ばすと必ずおかしなことになる。3セクはその象徴だ。
p117 バブルが完全に崩壊した1993年ごろ、私は金融専門誌の記者を生業にしていたが、大阪に本店を置く某信用組合のトップが私に得々と語った言葉が忘れられない。「吉冨さん、ウチも確かに不良債権はシャレにならんくらい多いけど、それもあと2年の我慢やと思ってますねん。あと2年たてば、土地の価格は又上がる。それまでの辛抱や。それまで我慢できる体力はウチにはあるし、2年後には今以上に大きな信組になってますわ」。かかと余裕の理事長さん。しかしそれから2年後、その信用組合はあっけなく破綻した。本店や支店には預金を引き出そうと客が殺到し、取り付け騒ぎが起こり、その様子はマスコミで全国に伝えられた。私に得々と語ったトップは背任罪で逮捕されたが、破綻3セクの経営者たちの多くは、記者会見を開いても市長には形だけのお詫びだけ。当局からなんのお咎めも受けずいまも、天下り先などで元気に働いているという。
大阪破産のシュミレーション
p26 大阪市が発行する市債の残高は2003年度には一般、特別会計を合わせて、5兆円を超え、20××年には10兆円を突破していた。公債費負担比率は危険水域である20%をとっくの昔に超え、起債制限比率も過去3年連続で25%ともはやこれ以上の起債は不可能な状態にまでなっていた。
p27 これまでの大阪市の慣例に従えば、中央政府の干渉を受けない自主再建が理想であろうが、そうなると地方債発行の制限を受けたり、災害復旧事業などを除いて、ほとんどの公共事業ができなくなったりする。しかも、国からの財政支援も法令上の優遇措置もない。市民への行政サービスの質はこれまで以上に大きく低下するのは必至である。ならば、準用財政再建団体はどうなのか。準用財政再建団体になれば、国の指導と監督の下、再建計画に沿った事業や行政サービスが行われ、歳入や歳出の厳しい見直しも求められることになる。
p28 ただ、準用財政再建団体の場合は自主再建とは異なり、起債制限はあるものの、市債を発行できなくなるわけではないし、特別交付金など国から財政的な支援も受けられる。・・・これまで、「地方財政再建促進特別措置法」による準用財政再建団体の指定を受けたのは、1975年以降では三重県上野市や山形県米沢市など、6市10町、そのうち、1990年代以降は福岡県赤池町ただ1つとなり・・
※ 出資法人改革から、市のあり方そのものを考えると、市には企画部門以外いらないのでは?
※ 官僚といかに戦うかが重要。官僚には官僚の「分」がある。のさばらせすぎ。そしてそれを助長したのは、陳情型の議員であり、それを指示する市民である。基軸を官僚から、政治に移すことでより健全になる。
p31 大阪市が提出した再建案によれば、議員定数10%削減のほか、議員報酬カット、費用弁償と政務調査費の一律廃止が提起されていた。
p37 新聞やテレビは地下鉄料金の値上げを伝えながら、反対派である彼ら自転車サラリーマンの姿も大々的に報道した。・・こまったのは警察ばかりではない。あふれる自転車を収納するスペースはどこにもなく、これまで以上に不法駐輪が相次いだ。・・・商店街にも不法駐輪が増えている。商店街によっては人が歩くのさえ困難な状況になり、店の商売にも悪影響が出始めていた。
p41 環境事業局の民営化は、大阪市によれば、財政的な建て直しが図れ、プラスに作用したことはいうまでもない。・・指定以外のゴミ袋がゴミ置き場に捨てられていても、当然のことながら、清掃車は持ち帰らない。・・生ゴミがあると夏場には異臭を放つ。ゴミの放置をめぐり、住民の間ではトラブルも頻発した。・・結局、税金で不法投棄されたゴミ掃除も行わざるを得ず・・大阪の空には異常なまでにカラスが増えた。・・この年、大阪市でも感染カラス(鳥インフルエンザ)が発見され、市民は大パニックになった。
p45 国からの補助を当てにできなくなった地方自治体が歳入の財源としてまず、手をつけたのは、住民税である。
p47 その企業群が大阪から本社、支社を撤廃し、東京や名古屋へ移動していったのは、大阪市が破綻する半年も前のことだ。大阪市の財政状況については、銀行が独自のプロジェクトチームを組んで詳細に分析し、その内容は取引先や自行系列の大企業にこっそりと報告されていた。銀行が作成した分厚いレポートには大阪市が破綻した場合に受ける企業のデメリットが記されていたのだ。そこではすでに公共施設や地下鉄料金の値上げ、市民税や法人税、固定資産税の値上げだけでなく、値上げ幅までが詳しく予測されていたのである・・・予測される破綻から再生までの期間や個人、法人人口の減少幅、財政の赤字額などをインプットすれば地方税の値上げ率をはじき出すことなど、銀行にすれば朝飯前のことである。銀行からひそかに報告を受けた企業の多くは迷わず、大阪を見捨てた。地下鉄料金の値上げは社員に支払う交通費のアップにつながり、法人税や固定資産税の税率アップも収益に影響する。このまま残っていてもコストは増える一方。ならば大阪市から脱出したほうがよい。
※ 以上は、自治体運営は、人、法人にとってまさに基礎であることを今一度再認識する現象である。
p51 いくつかの廃墟ビルでは市民が強盗に襲われ、今度は救急車がけたたましいサイレンを鳴らして、到着する光景は毎日のように見られた。頻発する119番に大阪市は音を上げ、議会では消防局も民営化しようという話も出たがさすがにこちらは時期尚早とみなされ、沙汰止みとなった。
p52 ・・汚水が噴出している道は数ヶ月に下水工事を行っていた場所だ。大阪市が財政再建団体に転居したことで、これまで行っていた公共工事のほとんどは中止を余儀なくされているが・・
※ 日々の「当たり前の生活」にどれだけお金が費やされているかということを今再認識する必要がある。
p53 道路の補修工事にあたる建設局の担当職員はもちろん、本庁でも手の空いた職員は御堂筋に駆けつけた。作業着に着替え、軍手をはめた職員たちは梅田から難波方向へ向かい、銀杏の実や落ち葉を拾うのだった。
p56 不況による失業率の上昇は犯罪の増加も生み出した。治安の悪化が懸念されたが、大阪府も大阪市同様に財政破綻寸前だから警察官の数を増やすわけにもいかない。しかし確実に増える犯罪に市民は怯え度重なる要請に警察官はとび回っている。そのためほとんどの交番には警察官がいない。市民の安全は脅されたままだ。市の破綻とともに治安の悪化は加速していった。この惨状に業を煮やしたのは、いわゆる裕福層である。彼らはわざわざ市の中心部に住む必要がないから郊外の高級住宅地を目指して脱出を始めた。
※ 悪いほうに回り始めたらすべてが悪いほうに回り始める。
p59 大阪市が抱えていた病院や図書館、動物園は独立行政法人となり、採算もそれぞれが独立で行い、市からの資金援助は絶たれることになった。交通局や環境事務局のように民営化する部局は今後も出てくるだろうし、そうなると大阪市の組織も一気にスリム化されるだろう。
p60 市役所の職員は民間以下に給料が削減され、職員の士気は大いに下がり、不祥事が毎日のように報道され始めた。・・大阪市の職員が頻繁に事件を起こす理由はいうまでもなくリストラや給与の大幅カットにある。
p61 【大阪市職員モラル低下?強姦、詐欺・・4ヶ月で11人逮捕 例年の4倍のペース 厚遇なのに借金苦も】 強盗、強姦、架空発注詐欺、酒気帯び運転事故・・。職員厚遇問題を受け、世間から厳しい視線が注がれている大阪市で、職員が逮捕されるケースがあとを絶たない。・・・勝手に公印を使い、市の発注のように装って3500万円のデジタル機器を発注、転売していた市教委職員(40)。廃校の小学校に物品を納入したり、購入先の百貨店に「給食の異物が混入していた際に記録しておくために買う」
(2005年6月29日 産経新聞)
p63・・公務員のモラルまで破綻したのではシャレにもならない。・・幸いなことに市の財政は健全化の方向に向かい始めている。・・しかし報酬(職員の)を上げれば安易に解決する問題とも思えない。・・やっぱり公務員は特権階級のほうがいいのではないか?・・対象(色々な相談サービスにおいて)が大阪市の職員に限られていたのは言うまでもない。・・いつのまにか「既得権益」の芽が再び出始めていた。
※ モラルの失墜は怖い。
p119 一口に厚遇といっても大阪市のそれは2種類ある。一つは大阪市本体から受ける給与や手当てであり、もう一つは互助組合と呼ばれる職員同士の親睦組織から受け取る福利厚生に関するものだ。
※ 先を予想して動かねばならない。このままでいくとどうなるか予想される事態を避けるべく、根本的な部分を今変えなければならない。
※ 泥沼から這い上がるのは至難の業。→健全なうちに改革をしなければならない。
※ 市の組合の事務所は賃貸料は払っているのか?
※ やっぱり藤沢市の人件費は高い。大阪市は770万円ぐらい。
p162 1990年の秋 大阪市と労働組合による非公式の交渉が本庁で行われていた。議題は国から廃止勧告を突きつけられた「特別退職一時金」をめぐるもの。労組は「廃止になれば現役の組合員は納得しない。これまでどおり、公費負担は続けられないものか」・・・市側は渋るどころか福利厚生という隠れ蓑を使う提案をする。2年半後、1993年、大阪市職員互助組合連合会が退職後に最高で月給の6,3ヶ月分を一括か年金で受け取れる契約を大手生命保険会社と結ぶ。これがヤミ年金、退職金のスタートであり、労組との密約の中身だったといわれる。
p164 「職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例」・・・「仕事をしながら組合活動が許される」→藤沢では?
辻弁護士の発言より
p195 そもそも大阪市にしても組合と喧嘩したら大変です。選挙も行政も労組の協力なくしてできないのです。だから大阪市も労組の機嫌を損なわないようにしないといけない。彼らの要求にもスマートに応えないといけないのです。労組からの不当な要求についてもそれを受け入れ、かつ外に漏れないようにしないといけない。万一もれても違法ではないように、体裁を整える必要がある。
p195 互助組合、互助連へヤミ年金、退職金の原資となる公金を投入していた大阪市ですが、辻弁護士は当初、予算書、決算書を見ても、新聞報道によれば、「そのカラクリがわからない」とおっしゃっていましたが、少しはそのカラクリは解明されたのでしょうか?
辻弁護士)一番ややこしかったのはヤミ年金でした。本来は補助金として計上されるものですが、なぜか人件費として計上されていた。それも職員に対する人件費のように使途が明確なものとは別に、ただポツンと「人件費」とだけ予算書に書かれているのです。・・補助金にしても本当はもらう権利はないのです。大阪市の退職金は他市に比べて高く、それを国から是正しろと命じられていた。そこで、互助連は少なくなった退職金の補填として、生命保険会社と契約して年金型の保険に入ったのです。本来、掛け金は互助連が支払うものですが、それを大阪市に補助金として負担させていたのです。ですが、予算上の名目は人件費だから見分けがつかない。
p197 ヤミ専従根深い問題だと思います。私にもヤミ専従している職員の名前が書かれた投書がきています。根本的な問題は「ながら条例」の拡大解釈でしょう。ここを改める必要がある。ヤミ専従については労組も「行き過ぎた」と認めています。
※ 2025年以降、この国が厳しくなるという考え方もあるが、今まさに苦しんでいる人がいることも忘れてはいけない。
なんとなく国だから大丈夫。自治体だから大丈夫という認識に我々は陥ってしまいがち。だけど破産するものは破産する。
p219 個人でも住宅やマイカーローンなど資産として残る借金ならまだしも遊興費やバクチで使う借金はローン地獄への近道となる。地方債も同じことだ。ただ単に歳入不足を補うだけの起債は借金を増やすだけだから、「地方財政法」という法律により本来は禁止されている。
※下水管の資本平準化債は、借金を返済するための起債。臨時財政対策債は使途が特に定められない起債。減税補填債は減税により歳入が不足する分を補う起債。平成18年度から市債発行が許可制から協議制に移行する。これらは、単に歳入不足を補う要素が大きいのでは?
p222 市債だと財政破綻すれば紙くずだが、融資だと担保があるから、完全な取りはぐれにはならない。
P225 利子割交付金とは銀行の預金利息にかかる税金の一部が交付される税金だ。預金利息には20%の税金がかかるが、そのうち15%は国税へ、残り5%の税金はさらに再分配され、2%は都道府県へ、3%が市区町村の税金となる。
P225 「地方交付税」は地方自治体間の財政の不均衡を調整するために国が徴収した国税からその一定割合を一定の基準で地方に再配分する制度である。・・地方交付税に回される国税の種類は所得税、法人税、酒税、消費税、タバコ税の5つ。配分される割合は所得税、酒税のうちそれぞれ32%、法人税35.8%、消費税29.5%、タバコ税25%となっている。・・なお地方交付税には地方自治体の財政力に応じて配分される「普通交付税」と災害などの特殊な事情によって配分される「特例交付税」の2種類がある。・・「地方特例交付金」は国の政策で減税された税金の不足分を補うための交付金である。
※ 出資をした以上、その法人をコントロールしようという思惑がその法人を骨抜きにしている。
p226 ・・もともと「三位一体」とは「神、キリスト、聖霊が一体である」というキリスト教の教義を意味しているが、マスコミが指す、三位一体改革は、もちろんキリスト教の教えとは異なる。三位一体改革とは「国と地方の税財政改革」のことで、地方を財政的に自立させることで地方分権を実現していくことを目的としている。小泉政権が2004年11月に決定した三位一体改革の全体像は@2005から06年度で総額約3兆円程度の国庫支出金を廃止、縮減(3兆円補助金廃止)A地方自治体の自主財源を増やすため、2006年度までに概ね3兆円規模の税源を地方に移す。B地方の安定した行政運営を崩さない範囲で地方交付税を見直す。というものである。政府の意図はこの3つを一度にやって、地方分権を進めようというものだが、実際はどうにもうまく進んでいない。これまで説明した通り、国庫支出金も地方交付税も国から地方に与えられる財源である。違いは地方交付税が使途を制限されていないのに対して、国庫支出金は使い道が決められていることである。ではこの構造の何が問題なのだろうか? 国庫支出金は使い道が決められている資金で、貰うためには地方が中央官庁へ頭を下げに行く必要がある。道路の建設には国土交通省へ、福祉予算なら厚生労働省へと予算編成期になれば国庫支出金の権限を持つ省庁に地方の役人は陳情へと回っている。しかしここに問題が生じる。補助金を出す出さないは、担当官庁やその役所に影響力を持つ政治家の裁量で決められてしまうからだ。
※ 国と地方の陳情型の関係はより是正していかなければならない。
かつて「官官接待」などという言葉がはやったが、時には正論よりは好き嫌いの感情によって、国庫支出金が出される場合すらあるのだ。補助金を出す側の官僚は「OBを受け入れてくれたら考えよう」とか、政治家の中にも、このような構造があるおかげで、地方は国のコントロール下に置かれてしまい、とてもじゃないが地方分権とはいかなくなっている。そのために、国庫支出金を廃止しようというのがこの改革である。だが簡単に廃止してもらっては地方も困ってしまう。予算不足でやりたい事業ができなくなってしまうからだ。そこで、国庫支出金の代わりに地方が独自で税金を取れるようにする、これが改革の二つ目「税源移譲」である。・・政府の改革案によれば、所得税の一部を個人住民税に置き換えようとするものである。地方交付税は・・国庫支出金と違って地方が自由に使えるお金であり、本来の目的は地方によって行政サービスに差が出ないようにするものである。つまり、税収が少ない山間地や離島であっても、東京や大阪のような都会と同じ住民サービスが受けられるよう国が足りない税収を補助するものである。だがここにも少々問題がある。一つは地方が財源確保の努力をしなくなってしまう点があげられる。・・財源が厳しい自治体にとては誠にありがたい財源であるが、これでは自治体の足腰が弱り、地方分権は名ばかりの状態になってしまう。
※ 交付税で足腰の弱った地方と特定受託で軟弱になった3セクとどうしても重なってしまう。
親に金をせびりまくった金持ちのボンボンが親が死んだら生きていけなくなるようなものだ。地方が財政的に自立し地方分権を進めるためにもこの甘えた状態を断ち切ろうというのが三位一体改革の3つめである。・・この三位一体改革が順調に進まない理由は、省庁の縄張り争いにある。国庫支出金でも説明したが、まず権限をもつ中央官庁が強く反対している。国庫支出金をだす権限を持つ省庁は、文部科学省や国土交通省、厚生労働省や、農林水産省などだが、この権限があるおかげで、彼らは地方に縄張りができ、コントロールも利く。税を徴収する財務省だって面白くないだろう。かつて大蔵省は「官庁の中の官庁」と呼ばれ、大蔵官僚はどの官僚より気位が高かった。・・・税源移譲になれば、彼らの力の一部が削がれてしまう結果にもなる。税を通じてほかの省庁や地方をコントロールしたい財務省にすれば、三位一体改革など面白いはずもない。地方交付税の権限を握るのは、総務省だが、彼らも又改革には消極的だ。・・総務省も意図的に地方交付税の計算を変えることで、地方自治体をコントロールしてきたのだから・・いずれにしろ、省庁の意識を何とかしない限り、地方分権も、地方財政の自立も絵に描いたもちでしかない。
p238 例えば月々の収入が20万円ある人がいたとしよう。家賃や食費、光熱費など毎月支払う必要がある経費が10万円の人と、14万円の人とでは、前者のほうが残金に余裕があるのは明らかだろう。義務的経費もこれと同じで、歳出に占める義務的経費の割合が低いほど財政的に余裕があり、新しい事業や行政サービスの拡充も可能となる。逆に高ければ余裕がないといえる。
p239 義務的経費は「人件費」「公債費」「扶助費」の合計で形成されている。人件費は公務員給与、公債費は借金の返済、扶助費は生活保護など、福祉に使う経費である。政令指定都市の義務的経費の平均は46.1%に対して、大阪市は50.6%この数字を見ても、大阪市は財政にあまり余裕がないことが理解できるだろう。
p240 国の2005年度一般会計予算は約82兆円それに対して、特別会計予算は約412兆円となっている。
p243 普通会計は一般会計と公営企業会計以外の特別会計を合算して会計間のお金の移動を控除したもの。
p244 財政力指数・・「市の需要を市の税収だけでどれだけ賄えるか」を示している。財政力指数が1.0以上なら市税だけで市の事業などが、すべて行える強い財政力である。
財政力指数=基準財政収入額/基準財政需要額
分子の「基準財政収入額」とは市税、譲与税、交付金などの一般財源を一定ルールに基づいて計算した額のことで、分母の「基準財政需要額」は標準的な行政サービスを実施した場合に必要とされる一般財源額くらいに考える。
※つまりここには特別会計は考慮されていない。
p246 経常収支比率・・地方税や地方譲与税などの一般財源のうち、人件費や扶助費、公債費など決まって支出する経費の割合を見る指標であり、この数値が高ければ、その自治体は厳しい財政運営を強いられているといえる。
経常収支比率=経常経費充当一般財源(人件費、扶助費、公債費)/経常一般財源総額(地方税、地方譲与税、地方交付税を合算したもの)×100
p249 公債費負担比率・・自由に使えるお金のうち借金返済が占める比率のことである。・・一般的には警戒ラインは15% 危険水域は20%といわれ、その水域を超えるとその地方自治体は借金で首が回らない状態にある。
公債費負担比率=公債費充当一般財源/一般財源総額×100
p250 大阪市の公債費負担比率も18.8%と警戒ラインの15%を大きく上回っている。
p250 これ以上の数字になると借金はだめという指標がある。
起債制限比率=(公債費に充当した一般財源−普通交付税措置のある公債費)/(地方税+普通交付税−普通交付税措置のある公債費)×100
p252 起債制限比率が公債費負担比率と異なるのは、前者は国からの援助なしで地方自治体が単独で負担する借金がどれだけ財政を圧迫しているかを示す指標といえる。・・・起債制限比率は過去3年間の平均が20%以上30%未満になると「一般単独事業債」の許可が制限される。一般単独事業債は地方自治体が国から補助金や負担金を受けずに地方税、譲与税、交付税などの一般財源と地方債によって独自に実施する事業・・道路、橋梁、区画整理など・・
比率が30%以上になれば一般事業債の発行も制限される。
一般事業債とは公営住宅建設事業、義務教育施設整備事業、社会福祉施設整備事業などを賄う地方債を指す。
※自治体は黒字過ぎるとよくないというが、来る国の破綻に備える調整金の積み立てはあってもよいのではないか?
p24 財政再建団体のボーダーラインは都道府県で5%、市町村で20%の赤字が目安だ。つまり実質収支のこと。
※ 各、指標において一定の基準を設けないと議論にならないから設けている。
p256 【大阪市 09年度 再建団体に転落も−中期収支概算で発表】
大阪市は26日、現状の歳入、歳出が続けば、09年度には準用財政再建団体に転落すると見込んだ「中期的な財政収支概算」を発表した。年間320人の職員を削減したり、管理団体への委託料を今後3年間で2割削減するなどの財政構造改革を盛り込んだ上での数字で、市はいっそう厳しい財政運営を迫られている。概算によると06,07年度の収支不足は、基金を取り崩して300億円にとどまるが、基金が底をつく、08年度には単年度で832億円と急速に悪化、09年度には財政再建団体転落ラインとなる累積赤字1420億円を突破する見通しだという。財政構造改革としては、人件費削減や管理団体委託料の削減に加えて、公共事業費を05年度決算の3分の一にあたる1747億円に削減することを盛り込んでいる。しかし、こうした改革では再建団体に転落する可能性が高く、資材政局は「市政改革本部での議論を基にさらに人件費の削減などを進めなければならない」としている。(2005年4月27日 毎日新聞 大阪版)
※ 行革とは「道」を示すことと、いかにその「道」を進むためにいかに「調整」するかだ。大阪破産の可能性が3年後でも、調整のできない行政運営の難しさを見て改めてそのように感じた。もし、破綻しそうになったら、交付税を増額することで回避を図る可能性もある。
※ 大阪市は現在黒字であるにもかかわらず、以上のような発表をした。
p306 2000年以降 自治体が破綻しないのはどうしてかだろうか。一番の理由は国の政策によるところが大きい。つまり自治体は基本的に破綻させないという政策があるからだ。
※ 大阪市は不交付団体だった。2002年には843億円に交付税が増えた。
※ 藤沢市の財産の切り売りによる一般会計への繰り入れはいくらか?(参考)開発経営公社から年間5億円ほどの繰り入れがある。
p275 財政赤字の原因について 大阪市長 130万人もの膨大な昼間人口に対応するため、ごみ焼却場や下水道の整備といった都市基盤整備など、大都市特有の財政需要も多く、・・扶助費全体の6割を占める生活保護費においても、被保護世帯の過半数を高齢者層が占めているので、毎年100億円を超える増加が続くという深刻な影響が出ている。・・平成4年以降数次にわたる国の景気対策に伴う社会資本整備や、地方の多額の財政不足に対して主に地方債による補填措置がとられたことなどから市債残高が累積し、その償還が現在大きな財政負担となっています。・・・生活保護制度は50年以上が経過し、本市では被保護世帯の過半数を高齢者層が占めるなど、制度創設時とは状況が大きく異なってきており、制度疲労を起こしているので、生活保護制度とは別立ての新たな低所得者の生活保護の創設などを他の指定都市と共に国へ提案します。・・又老人医療費など民生費に限らず制度創設から時間が経過している施策、事業については、今日的なあり方を検証していく必要があると考えており、時代に即した抜本的な制度の再構築を提案してまいります。
p276 高齢化はそのまま生活保護の増大にも直結している。
※ 地方債が許可制から恭義制になることについては一定の考え方をもって平成18年度には望まないといけない。
※ つまり従来制度を廃止し、新制度に移行するなかで支出のあり方を抜本的に見直すということ。
p292 赤池町の事例から 人口の流出は自治体破綻の第一歩である。赤池町は炭鉱に代わる新たな産業の誘致や失業対策の推進、さらに鉱害地となった土地に対する復旧事業などに力を注いだが、それがかえって、公債費を増やし、施設の維持管理費と職員増員に伴う人件費の増加を招く結果となり、町は一気に赤字財政へと転落してしまう。
p295 財政再建に極意はない。ただひたすら「出ずるを制し、入りを図る」のが肝要である。しかし予想していたことだが、再建は厳しいものだった。
p299 ある職員は徹夜で書き込んだ重要な資料をFDに保存したが、それが雨漏りでお釈迦になった。・・一番、困ったことは町立上野小学校のトイレだった。くみとり式のままで、ドアが破損している。児童が小学校のトイレを使えず、昼休みに自宅に帰ってくるという話を聞いた。トイレだけではない。割れた窓ガラスが修理されないのを見て、・・児童たちは「倒産しているからすぐにはできないんだよ」とささやきあった。・・歳出を絞る一方で歳入の増加も図らなければならない。その負担のしわ寄せは町民に押し寄せることとなる。町営住宅の家賃は段階的に計23.2%アップした。野球場やグランドテニスコートなど体育施設の使用料は5年ごとに25%ずつ値上げする。水道料金、各種証明手数料なども軒並み増額した。敬老年金は半減、保険料は減免なしとなった。学校給食費も20%前後のアップとなった。
p300 自治体が破綻しても企業のように清算されるわけでも、住民サービスがなくなるわけでもない。そのため住民が自治体破産を初めて意識するのはこれら各種手数料の値上がりを直接体験したときだ。・・これまで綺麗だった地域の環境に陰りが見えたとき住民は自治体破綻を実感する。
p301 再建に入ってからは行政サービスも制限され、職員もすべてを業者任せにできなくなった。そこで、町民も自分たちでできることは自分たちの手でという気持ちになったようです。老人介護や清掃作業のボランティアもでき、今も活動を続けているグループがあります。・・2001年12月13日 赤池町の財政再建は完了した。「出直しの日」から約10年ぶりのことであった。
浦田町長 ・・これまでのように町の財政再建をハコモノの造成や企業誘致だけに頼ることはしません。無理な財政増も望みません。地道にやるだけです。歳入に見合った歳出をするだけです。
※ つぶれないように国が問題を先送りしている。税源移譲も、本質を見据えた策ではない。自治体が3兆円移譲されても、ただ破綻を先に延ばしているだけの話だ。
p312 ・・リストラや賃金カットに怯える民間企業の社員たちは倒産の心配もなく安穏と暮らすシロアリのように私たちの税金を食い尽くす驕れる公務員に怒り心頭なのだ。