自然の中で子どもの成長を見守ります。神奈川県藤沢市、善行森の幼稚園

モンテッソーリ教育とは、マリア・モンテッソーリ（イタリア　１８７０〜１９５２）が実際に子どもたちと関わった中から　　
作り上げられた教育法です。モンテッソーリは教育者であり、イタリア初の女性医学博士でもあり、特殊学校の主任として迎えられ当時、イタールやセガンの教育法を元に精薄児の教育的指導にあたり、そこでの指導が素晴らしい成果を上げ、以来100年以上にわたって世界中に広まり日本でも多くの幼稚園・保育園で実践されています。
　モンテッソーリ教育法は、モンテッソーリが実際に子どもたちをよく観察し、子どもたちの育ちを感じたように
子ども中心の保育・教育理論および保育・教育実践で次のような特徴があります。

●「すべての子どもが、自分を成長していこうとする力を持っている」ということが原点となっています。
大人（親や保育者）は子どもに何かを教えるのではなく、子どもが活動を通じて育つための援助をします。
●その援助とは、「適切な時期に適切な環境が与えられれば、自分で成長する」という思いから子どもが自分で成長できる活動をしやすい環境を整えることや、人間の模範として機能すること、子どもを受容（一人の人間として認める）し、愛することなどです。
●子どもの育ちや人間あるいは生命そのものについての知見を基礎とします。
●モンテッソーリ教育によって、子どもが健やかで豊かな人間性を育てていく援助をすることで、平和社会の実現に貢献します。

善行森の幼稚園のモンテッソリー教育との出会い

　善行森の幼稚園は1974年4月からモンテッソーリ教育に携わってきました。 上智大学で「モンテッソーリ教育」の講義が始まる、との情報が私達にもたらされたのは1972年のことでした。上智大学に通って学んだことは、モンテッソーリ教育とは幼児教育の先駆者マリア・モンテッソーリが創造された教育法ですが、これが私達が探し求めていた教育法そのものでした。
　その内容には「おいしいお米や野菜を作るのに、農家の方たちは畑を十分に耕し、水や肥料を加え、土壌を整えた上で種をまいています。このような手法を教育にも！。子どもたちの脳を刺激し、新しい知識を吸収していくためには、その前提として指先の訓練、腕をコントロール出来る力が必要。」という医学的にも証明されていることが基本となっていて、子どもたちが遊びの中で培ってきたものが科学的に整理され、教具（言語、感覚、数、文化、生活など）になっているのです。

着衣枠のお仕事 　蝶結びをしています	包丁のお仕事　料理やモルモットのエサ切り	雑巾絞り　食事の後は自分の机を拭きます
「砂文字」 文字を書くための腕の活動	「かなくら」 文字を書く読むための活動	「赤と青の数棒」 　数と量の一致
数のビーズのお仕事 １０進法を知る	重量板 重さの違いを感じる	三項式の箱
文化・地理　　地球儀と地図を見て世界を感じる	自然　　幼稚園の小川で、カエル、カニ、ザリガニを観察

モンテッソーリ教育を指針に

　この教育法をすぐにでも幼稚園の教育指針にしたい、という思いは山々でしたが、これを成功させるためには保護者の方々の理解を得なければなりません。そこで大学で学んだことを、お母さんたちとの勉強会で復習し続けました。
　その中で一番難しかったのは、クラス編成を年齢別から年齢混合性に切り替えることでした。市内にも県内にもそういう幼稚園がなかったために、頭の中では考えられないことでした。「何時も小さい子どもたちと一緒に生活をしていると、うちの子（年長児）は頭が悪くなってしまうのではないか？」。この疑問には当初、答えようがありませんでしたが、子どもたちが活き活きとした表情や笑顔が瞬く間に解消してくれました。
　この教育法は、お母さん方も成長し、育児にも大変参考になる教育法だと考えています。
　森の幼稚園の先生たちは、絶えず学び続けていますので、ご一緒に学び合いましょう！